使い捨てマスクの素材「ポリプロピレン」ってなに?ガーゼマスクとかポリウレタンとか。。。色んな種類があるからどれを使ったらいいかワケわからない。。誰か教えて!
その悩みに化学者が答えます。結論、どれでもOKですが、目的にあわせて使いましょう。記事で、マスクに使われている素材の特徴と効果について詳しく解説しますね。
マスクの種類【不織布、ガーゼ、ポリウレタン】
不織布マスクとガーゼマスク、最近だとポリウレタンマスクもあるので、私たちの身近にあるのは3つです。特徴はこんな感じ↓↓
では、それぞれの素材についてもう少し深堀りしてみましょう。
それぞれの素材別の特徴
1. 不織布マスク
不織布マスクは、身近な使い捨てマスク。ウイルスを含む飛沫を通しづらいのが特徴。なぜなら、不織布という網目がめちゃめちゃ細かいものを使ってできているから。
代表的な素材は、ポリプロピレン。いわゆるプラスチックが原料です。
ポリプロピレンというのは、プロピレンという物質を化学反応によってたくさん繋げたものを指します。
ポリプロピレンは水ととても仲が悪いので、水を弾きます。
マスクをしていると、内側が湿ってきて、水滴になったりしますよね。これは、呼気中の水分だけマスクの隙間を通らないから。
ポリプロピレンという素材が水と仲が悪いので、水分はマスクの外に出にくいんですよね。
それがつもりに積もると、水滴になってしまうという訳です。
ただし、洗うのは厳禁。なぜなら、不織布マスクが花粉やウイルスを漏れなくキャッチしているのが「静電フィルター」という中間層のおかげだから。
静電フィルターというのは、静電気の力でウイルスや花粉をキャッチしています。不織布マスクを洗うと静電気が逃げてしまい効果がゼロに。
全国マスク工業界も不織布マスクの再利用は推奨していません。再利用はやめた方が無難ですね。
参考→http://www.jhpia.or.jp/product/mask/index.html
不織布マスクは使い捨てが基本。これを覚えておきましょう。
2. ガーゼマスク
子供のころから使っているお馴染みのマスク。アベノマスクが有名ですね。
ガーゼマスクは繊維が規則正しく織り込まれているので、隙間がたくさん空いています。すると、ウイルスをキャッチする能力はほぼゼロです。
ガーゼの場合、マスク自体は少し湿りますが、水滴ができることは無いですよね。
これは、ガーゼの素材であるセルロースというものが、水と仲が良いから。
セルロースは水を吸い込みます。するとマスクの内側には水滴になるほど水が溜まりません。
ガーゼマスク使い方としては、「くしゃみ、せき、会話」で出る飛沫(唾)を極力外に出さないため。そして、喉をうるおすため。この2つです。
ガーゼマスクは繰り返し洗って使えます。洗うときは、マスクが変形しないように手で丁寧に洗いましょう。
3. ポリウレタンマスク
新進気鋭のマスク、ポリウレタンマスク。第三のマスクとして注目を集めています。ただ、マスクの隙間が大きいので、飛沫やウイルスといった小さいものは残念ながら通しますね。
ポリウレタンは、伸縮性に優れた素材。そのため密着性は高いです。
(ポリウレタンは2種類の原料を化学反応させることで合成)
ただし、ポリウレタンは原料由来の臭いがどうしても残りやすいため、使用するときに不快に感じることも。
ガーゼほどではないですが、ポリウレタンも素材上水と仲がいいため、水滴は付きづらいです。
ただし、ウレタンは加水分解という反応を起こします。
(加水分解→水で分解するということ)
だから、繰り返し洗っていると、確実に劣化します。耐久性は高くないですね。
ウレタンマスクは、風邪やウイルス予防には効果が薄いので、化学者としてはあまりおすすめできませんね。しかも耐久性が低い。
ウレタンマスクを使うなら、①花粉を防ぎたい、②それでいてファッショナブルなものをつけたい、このシーンがおすすめ。
また、繰り返し洗えるとはいえ、ウレタンは太陽の光を浴び続けると変色します。ファッションとして使う場合でも、短期間だけと割りきって使うのがベターかも。
マスクの素材は何でできているか まとめ
一般的なマスク(不織布、ガーゼ、ポリウレタン)の特徴と効果について解説しました。
何でも同じというわけではありません。使う時は目的と性能を確認し、正しく使いましょう。
化学者としては、使い捨ての不織布マスク1択。機能的にも問題なしですね。
では。
化学者がオススメする、家の除菌法はこちら(やり方も解説)↓